T-SHIRT

フラットヘッドを代表するアイテムであるTシャツ。
首元の縫製には、フラットヘッドの特殊技術である、20番綿糸による「3本針の1本外し®」縫製を施し、伸び難いネックを実現。

天然素材の生地が主流だった1950年代、衣類品に耐久性を持たせるため工夫を凝らした様々な縫製技術が存在していました。
カットソーの縫製において最高峰とされていたその技術は、3本針の内2本の針をリブに乗せ、残り1本をボディ側に外して縫う技術でした。

あえてボディに1本外された糸は、リブとボディが洗濯乾燥する際に生じる収縮率の差をリブに残された2本の糸と裏側にある3本分の振り糸で同調させ、形状を維持させることができました。
素材の限界を縫製技術により引き上げられたTシャツは、他の簡易的な縫製に比べ群を抜く丈夫さを誇り高級衣類として重宝されていました。

しかし、昨今これらの技術は時代の変化とともに現れた新たな素材と技術革新により風化されつつあります。

不可能への挑戦

失いかけた技術の継承と天然素材が持つ特性を最大限に活かすため、60年以上経過した当時のTシャツから手蔓を求め、更に堅牢なTシャツをフラットヘッド基準とすべく挑戦が始まりました。

フラットヘッドが「3本針の1本外し®」と命名したネックの縫製は、20番手のコットン撚糸を用いて縫製するものです。
しかし、見た目にも判る20番手の太い糸はTシャツの柔らかい編み生地へは使用が出来ないとされていました。
それは太い撚糸に使用する太い縫針は生地を傷めてしまう為です。

この難題を解決する為にコットン素材で適度な強度を持つ20番手の縫製糸を独自に紡績し、それに合う
縫針に至るまで追求しました。
更に専用ミシンを全て分解して組み直し、幾度もの微調整と試行錯誤を繰り返した熟練の職人達の手で解決へと至りました。
「20番綿糸による3本針の1本外し」これがフラットヘッド基準を満たした縫製の証です。

伸びにくいネックとコシのある丸胴生地(THCシリーズ)

THCシリーズの特徴はコシの強い生地感とネック部の「3本針の1本外し®」縫製。

このシリーズは丸胴と呼ばれる筒状に編み上げた生地を丸胴ボディのまま使用しています。
生地は14番手という太い綿糸で編み込まれる強靱なボディ。太い糸を編むために必要な針が重要で、ドイツから取り寄せた特別な針を使用して編み上げています。
この生地を編む「丸編機」は1960年代製。この年代の丸編機自体も希少で、更には生産環境やメンテナンス出来る職人も減少傾向にあります。

常識を超えた縫製技術で生み出されるネック部の伸びにくさと共に、型崩れのしにくいボディを持つこのTシャツはフラットヘッドの代名詞的なアイテムと言えます。

肌に馴染む至極の着心地(TKTシリーズ)

TKTシリーズ最大の特徴は生地感。
この生地は「旧式吊り編み機」と呼ばれる編機によって編み立てられています。

旧式と呼ばれる理由は、この編み機が1960年代頃を境に減少した旧い年代の編機だからです。1960年代頃までは日本国内で10,000台近くの吊り編み機が稼働していましたが、Tシャツにして1日に10着程度の生地しか編み上げる事のできない吊り編み機は時代と共に減少してしまいました。


現在稼働している「旧式吊り編み機」は和歌山県を中心に300台ほどと言われおり、吊り編み機と呼ばれる理由は写真の様に工場の木の梁に編機自体を吊り下げているためです。

吊り編み機は手編みの生地感に近い生地を編み上げることが出来るため、生地に程よい空気の層が生まれます。
そして、ネック部はもちろん、20番綿糸による「3本針の1本外し®」縫製。

空気を含みふっくらと温かみのある生地は肌に馴染む至極の着心地を与えてくれます。

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