
レーヨン・ハワイアンシャツ特集
レーヨンとは?
1950年代のアメリカンヴィンテージを代表する素材の一つであり、フラットヘッドでも設立当時から力を注いで作り続けているレーヨン。
元々は高級な繊維であるシルク(絹)の質感を求めて1850年代に作られた再生繊維であり、昔は人絹(じんけん)などと呼ばれていました。
名称の由来は光線(Ray)と綿(Cotton)を掛け合わせた造語だと言われています。
光る(Ray)糸(Yarn)だと言う説もあります。
シルクは蚕の繭を形成する超長繊維であり、1本の繊維で作られています。
その長さは1.2㎞~1.3㎞ほど、天然繊維では最も長い繊維です。
レーヨンは木材パルプを原料として作られます。
ビスコース法という製法で、シルクの様に細く長く造られるレーヨンの繊維はまさに光線(Ray)のようなイメージです。
優美に纏わせる
レーヨンの最大の特徴とも言えるドレープ性。
ドレープ性には「優美に纏わせる」と言う意味があります。
元々はシルクの質感を求めて作られた素材ですが、レーヨンの場合は生地を揺らした際に「タプタプッ」としたやや重みのあるドレープ感も特徴です。
レーヨン強撚糸への挑戦
レーヨンの魅力であるドレープ感や光沢、肌に触れた際の清涼感は他の素材では味わえない物です。
しかし、どんなに素晴らしい素材でも、ほとんどの場合メリットもデメリットも合わせ持ちます。
レーヨンの場合は、皺の付きやすさや水への弱さ。
フラットヘッドではこの素晴らしいレーヨン素材の弱点を少しでも克服し、更に向上できないかと考え力を注いできました。
ハワイアンシャツで使われる生地の多くはレーヨン羽二重と呼ばれるもので、タテ糸、ヨコ糸ともにレーヨンの繊維の束を甘く(弱く)より合わせた「甘撚り」と呼ばれる糸で織り上げています。糸の寄りが甘いため、生地は皺が付きやすく水も吸いやすくなります。そこで考えたのがレーヨンの繊維の束を撚る回数を増やし(強く)糸のコシを上げて水も吸いにくくする「強撚糸」を作る事でした。
「水を吸いにくくする」理屈的には強撚糸にすることで実現しましたが、これはレーヨンの特性である染色性の良さを損なうという問題も生み出しました。
具体的に言うと、水だけでなく「染料も吸いにくくする」生地になっていたのです。
染色の問題だけではなく、縮率の問題など様々なトラブルの連続でした。
トラブルの話ばかりすると長くなってしまうので…とにかく様々な問題を経て現在使っているフラットヘッドのレーヨン生地の原点は2005年に誕生しました。
耳まで染める、耳まで使う、だから綺麗に染め上げる。
フラットヘッドでは、生地もオリジナルに拘ります。
オリジナルの生地を織り上げる織機は基本的に、旧式シャトル織機と呼ばれる旧い年代の物を使用します。
旧式力織機で織り上げた生地は、見た目にも程よいムラ感があり風合いの良い生地に仕上がります。
見た目の特徴として生地の両端は「耳」と呼ばれる部分が出来ます。
写真の様に生地が綺麗に切れたように仕上がっており、生地端から解れる事もありません。
耳をそのまま使用した最も代表的な衣料品はジーンズではないでしょうか。
もちろんフラットヘッドでもジーンズには耳の部分を使用していますが、ジーンズだけではなく旧式シャトル織機で織り上げた耳付きの生地を用いた製品には耳の部分を使用しています。ハワイアンシャツ(その他のシャツも)の場合は前立て裏の見返しと呼ばれる部分に使っています。
ハワイアンシャツの場合は生地に柄が入ります。
耳の部分を使ったハワイアンシャツの場合、多くの物が耳の端まで柄が入っていません。
これは染色技法の問題であり、オートメーションの機械では生地幅よりもプリントの版が狭いため、端までプリントが届きません。
フラットヘッドでは、昔ながらのハンドプリント(手捺染、手抜染)により耳の部分までしっかりと柄を入れています。
細かな説明は長くなりすぎてしまうので省きますが、実はこれが非常に大変な事なんです。
耳を使うなら、耳まで製品として考え決して妥協できなかった部分でもあります。
この生地端の耳まで気にしながら、色々なハワイアンシャツを見てみるのも面白いかもしれません。
ポケットの柄合わせ
ハワイアンシャツはレーヨンの素材感ももちろんですが、鮮やかな色合いと華やかな柄もポイントです。
手間を掛けてプリントした柄を、綺麗に表現するために胸ポケットの生地は柄も綺麗に合わせて縫製しています。
ドレープ性が強く、薄いのに弾力のあるレーヨン生地は縫製も難しく、特にこのポケットの柄合わせは、裁断の段階から始まり、縫製前のプレス作業、縫製の際はとにかくずれないように細やかな技術が必要とされます。
拘りも大事、遊び心も大事
2018年夏の新作としてリリースしたハワイアンシャツは、フラットヘッドが貯蔵するヴィンテージハワイアンシャツを元に、柄の大きさや配置に至るまで再構築し、手書きによる図案を描き下ろしデザインしています。
今回モチーフにしたハワイアンシャツは、当時はまだ憧れであったアメリカ本土からハワイへ運航する豪華客船の乗船記念に作られたと言われている物です。
柄の配置や、大きさだけでなく、オリジナルのモチーフも組み合わせています。
ヴィンテージの柄の中にフラットヘッドがプロデュースするアメリカンダイナー「Googie’s Cafe」や「Flat Headのロゴ」を加えるなど、思わずニヤリとしてしまう遊び心を加えています。
根巻き縫製による手付けボタン
ボタンを生地に取り付ける際は、専用のミシンで付けるのが殆どです。
ボタンを付ける専用のミシンがあり、ボタンをセットし、ボタンをつける位置をレーザーで合せたらスイッチを押すだけでダダダダダッと…。僅か数秒でしっかりとボタンが付きます。
しっかりとボタンが縫い付けられる反面、生地に針を刺す回数は多くなるため、特にレーヨンの様な薄手の生地は、針穴と糸によりボタン部分の生地の強度が落ちる恐れがあります。
フラットヘッドでは、ボタンを付ける工程ではミシンを使用せず、一つひとつ職人が手作業で行なう手付け縫製をしています、手間と工賃の高さから現代では、ほとんど行なわれていない作業です。
手付けの場合、針穴は2つしか開けません。
そのため生地へのダメージも少なく、裏側の仕上がりも奇麗で写真でも縫い糸がほとんど見えないほどです。
ボタンの裏側で糸を巻く「根巻き」と言う手法を使い、人の手でなければ解らない糸のテンション(遊び)を作る事もできます。
この程よい遊びが重要で、仮にボタンをどこかに引っ掛けてしまってもボタンだけが取れ、生地を破く可能性も少なくなります。
手縫いによるボタン付けは、ベテランの職人でも1時間に40個程度を付けるのが限界です。
語れる素材のボタンです
レーヨンシャツやハワイアンシャツのボタンには拘りのある素材をチョイスしています。
上の写真「ココナッツネコ目ボタン」は、その名の通りココナッツの実を削り出した素材で、ネコ目とは中央の凹みが猫の目の様に見えるからです。
この凹みがボタンの縫い糸を沈ませる事で擦れにくくし、糸切れによりボタンが取れる事を防いでくれます。
上の写真は「尿素ボタン」と呼ばれるもので、プラスチックの先祖の様な素材です。
1950年代頃のヴィンテージウェアに使われている事が多く、熱や衝撃に強い反面手触りは滑らかで、微妙な練りムラのある味わい深いボタンです。
チェーン刺繍とハンドステッチ
レーヨンシャツに花を添えるチェーンステッチ刺繍。
名前の通り刺繍糸がチェーン状(鎖)に連なるのが特徴で、横降り刺繍の様な繊細さとはまた違った、味わいのある雰囲気を生み出します。
チェーン刺繍はループ状の連続する目を作るために、針の先端が編み物に使う「かぎ針」の様な形状をしています。
このかぎ針の様な形状は刺繍を施す際に、刺繍のふちのレーヨン生地を伝線させてしまう事があるため、針の太さや糸の運びにも注意しなければなりません。
刺繍に使う刺繍糸も生地同様にレーヨン素材に拘っているため非常に馴染みの良い仕上がりになっています。
襟やポケット口、前立ての幅広のピッチで縫われた部分は「ハンドステッチ」と呼ばれるもので、フラットヘッドでは実際に手縫いで仕上げています。
似たような雰囲気で縫い上げるミシンも存在しますが、手縫いならではの味わいのある表情と、手作業でしかなしえない絶妙な糸テンションで縫い上げるため手縫いに拘ります。
ハンドステッチは1950年代頃のヴィンテージシャツに見られる縫製で、シャツ自体を縫い上げる為の糸ではなく、装飾するためだけの贅沢なステッチでした。
丁寧に時間を掛けて施すハンドステッチにより、生地に程よいパッカリング(糸の縮みが生み出す生地のアタリ感)が現れます。
ちなみに、フラットヘッドのレーヨンシャツで襟、ポケット口、前立てにハンドステッチを入れる際に1着で1時間以上の時間を要します。
とにかく時間と手間を要する大変な作業ですが、このハンドステッチがあるだけでシャツの雰囲気は格段に上がります。
フラットヘッドこだわり「レーヨンアイテム」を最新ラインナップで是非お試しください。
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