
フラットヘッド ジーンズ コラム Vol.01
フラットヘッドのジーンズ
フラットヘッドのジーンズは1950年代のヴィンテージジーンズをベースに、各年代の良い部分を取り入れながら、独自の進化を遂げてきました。そこには、着ることを楽しんでもらいたい、着た人すべてが主役になってほしい、そうした創業からのモノ作りに対する想いが込められています。
手にして5割、穿きこんで7割、そして着用者のライフスタイルが色濃く反映された色落ちとなり世界に一つだけのジーンズとして完成を迎える。そんなジーンズを手掛けています。
そんなフラットヘッドのジーンズについて
何回かに分けてお話ししたいと思います。
膨らみのあるベルトループ
ジーンズのお話で「なぜベルトループの話から?」と思われる人もいるかもしれません。
実際に着用している時は、Tシャツやシャツの裾で隠れてしまうことが多く、普段はなかなか日の目が当たらない部分だと思います。
ですが、フラットヘッドのジーンズは、隠れてしまう部分にも、長年穿き続ける上で非常に大切なこだわりを落とし込んでいます。
写真は新品の状態のベルトループです。2本のステッチの内側がぷっくりと膨らんでいるのが分ります。この真ん中を膨らませる事が、長年穿き続ける上でとても大切なんです。
こちらはだいぶ穿き込んだジーンズのベルトループです。
真ん中の膨らんだ部分と両端は色が落ちていますが、2本のステッチ部分はまだ色が濃く残っていますね。
何故でしょう?
ジーンズの色落ちは洗う時に落ちているように思いますが、実は着用時に生地が擦れる事による色落ちがほとんどです。ベルトループの真ん中と両端の色が落ちていると言う事は、生地が擦れていると言う事でもあります。
ここで思い出していただきたいのが、2本のステッチ部分は色が濃く残っている事。
ステッチ部分はほとんど擦れていないと言う事です!
ベルトループは帯状の生地を巻いて、2本のステッチで縫い付けて作ります。
この2本のステッチが擦り切れてしまうと、ベルトループの巻はバラけて帯状に戻ります。
そのまま履き続けると、ベルトループは破れてダメになってしまい・・・
2本のステッチの真ん中を膨らませる事で、2本のステッチが沈み込み、擦れにくくなる事で、糸切れを防いでいるのです。
その結果ベルトループの真ん中と、両端の色が落ち、濃淡のある色落ちが現れます。
これはヴィンテージジーンズにも見られる特徴です。
化学繊維の縫製糸が出る前、綿糸による縫製が主流だった時代のジーンズは、ファッションとしてではなく、ワークウエアとして着用されていました。作業着としてのジーンズには、強度を考慮した縫製が各所にみられました。
決して強い繊維ではない綿。どうしたら切れにくくなるだろう?
そうした当時の人たちの試行錯誤が生み出したであろうディテールに、ロマンを感じずにはいられませんね。
そうした時代に生み出されたノウハウを取り入れ、辿り着いたのが『真ん中が膨らんだベルトループ』なのです。
フラットヘッドのベルトループは1920年代のUNION SPECIAL社製の2本針環縫いミシンで縫い上げます。
舌を噛みそうな名前のミシンですね・・・
「新しいミシンの方が性能がいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そこにもこだわりがあります。
ベルトループの生地を巻き込む為の真鍮製の『ラッパ』と呼ばれるパーツは、最適な巻きと膨らみ具合を作るために手曲げで一点一点作成し、理想とする形状を完成させていました。
また、1920年代当時のミシンは綿糸だけを用いていた時代の物なので、綿糸による糸調子を出す事が出来ます。この絶妙な糸調子が、ジーンズを洗った時の生地・縫製糸の縮みにより、求めていた「糸の締まりと真ん中の膨らみ」を実現させてくれます。
このためにヴィンテージミシンによる縫製にこだわっています。
毛羽のあるボタンホール
着用時には隠れてしまうベルトループにもこだわりがある。
今度はもっと見えない部分、ボタンホールについてお話をします。
ボタンホール。
ボタンを留める穴ですね。
ボタンを留めてしまえば、ベルトループ以上に普段見ることはないでしょう・・・
上の画像は新品の状態のボタンホールです。
なんだかケバケバしていて、正直「ほんとに新品なの?」と疑ってしまいますが、この毛羽はあえて出るようにしています。
けっして処理をサボったわけではありませんよ!?
フラットヘッドのジーンズはボタンの素材に鉄を使用しています。
ボタンの開閉時に硬い鉄と、ボタンホールの縁を縫うかがり糸が擦れて摩耗していきます。
かがり糸が摩耗し擦り切れてしまうと、ボタンホールの縁はデニム生地の切断面が剥き出しになり裂けてしまいます。


一般的にボタンホールは生地をカットし穴を開け、穴が裂けないように縁をかがり縫いします。
フラットヘッドのジーンズは、その順番が逆です。
穴の開いていない状態の生地にボタンホール状のかがり縫いを入れ、その後真ん中に穴を開けます。
縫った後に生地をカットする「後メス」と呼ばれる技法です。(メス=刃物)
後メスは、かがり縫いの内側に生地の裁断面が剥き出しになり、毛羽として残ります。
この毛羽が硬いボタンとかがり糸との間の緩衝材として働きかがり糸を守ってくれます。
写真のミシンはフラットヘッドが所有するドイツのデュルコップ社製のボタンホール専用後メス式ミシンです。
画像は数年穿き込んだジーンズのボタンホールです。
毛羽もまだ残っているので、かがり糸は綺麗な状態で残っていますね!
今回は隠れてしまう部分のこだわりをピックアップしましたが、まだまだジーンズへのこだわりは尽きません。
次回は色落ちや経年変化についてお話します。
お楽しみに♪
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